どすん。
皿が置かれた瞬間、地響きが鳴った。
ロワール産ホワイトアスパラガスである。
数本のアスパラが一つになったかの様な、太く立派な躯体に、思わず目を丸くした。
穢れなき苦味とふくよかな甘みは、大地の豊かさを内包し、自然の神秘を掲示する。
根本から穂先にかけて、徐々に変化していく味のグラデーションを楽しむ。
その優美な時間に、言葉が出ない。
たっぷりと注がれたソースマルテーズは、もはやスープだが、アスパラを越えない。
いや、越えられない。
太陽を求めて天へと伸びん勇猛なアスパラに、衝撃を受け、宙を仰いだ。