厳しい自然環境を生き抜いた野生の鳥は、人間に迎合することなど考えていない。 噛むと感じる青葉の様な香りと苦味は、肝や内臓とは違う、森の苦味。口腔にしぶとくいすわり、迫ってくるそれは、舌に甘えない孤高である。 だが、栗やジ …
月: 2023年12月
キャベツというのは、包容力の塊である。 挽肉を包み込んだロールキャベツを始め、この「縮緬キャベツとフォアグラのテリーヌ」もまた、キャベツの懐の深さに感心させられた。 濃密で妖美なフォアグラを挟み込んだ縮緬キャベツの薄 …
ポシェした牡蠣は、生よりも妖艶である。 加熱によって生まれた、繊細な身の張りを歯で感じる。 プチっ。 弾けた身から滋養溢れるエキスが流れ出る。 その瞬間の優美が、生では味わえない色気が、官能に触れてくる。 五十嵐シェ …
有史以来の原種黒豚であるビゴール豚は、新芽や木の実を食べて健やかに育つ。肉質は、快哉を叫びたくなるしなやかな食感であり、旨味と芳香は、底なしに深い。 初めては食べたのは、代官山の「ARMONICO」。 脳裏にこびりつ …