この世で最も溺愛する液体の「海老のビスク」。
この世で最も溺愛するルセットの「パイ包み焼き」。
そう、この一皿には私の好物が全て詰まっている。
ナイフを入れると、パイから美味しい産声が聞こえ、鮑と海老が顔を出した。
芳醇なバター香るパイの中でゆっくりと熱を通されることで、其々が持ち味である食感と旨味が頂点へと達している。
そこへ、濃密でありながら主役を引き立てようとする知覚を持つ海老のビスクが寄り添う。
旨味と香りは天井を超え、感嘆のため息が漏れる。
この一皿を食べていた2023/12/7の19:30。
私は世界で一番だらしない顔をしていた。