美し

 

「美味しい」の語源は「美し(いし)」。

元来、味に限らず兎に角何かを褒める時に使われた言葉だ。

足の細いガラスの中でムースとジュレが煌めく姿は、見る者の心を奪う美しさ。

口に含んだ瞬間、牛乳の甘味を抱き込んだムースの淀みない甘味に、粗野が削がれて動物の純真のみが残されたジュレと濃密な滋味を響かせる雲丹が重なり、液体となって甘やかに流れていく。

五十嵐シェフの代名詞でありスペシャリテ「人参のムース ウニとコンソメジュレ添え」には、「美し(いし)」という言葉が最も相応しい。

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