月: 2024年3月

新たな秩序

  この真鯛のポワレを食べれば、改めてフランス料理が足し算の料理であることが実感できる。 白身魚に敢えて赤ワインを合わせ、ベーコンやソテーした玉ねぎとマッシュルーム、菜花のクリーム煮そしてポーチドエッグを重ねた一皿だ。 …

対比

  ギリギリまで焼きこまれた香ばしい軽やかなフィユタージュ。 歯茎や舌に絡みついて取れない濃厚で重厚なカスタード。 この対比がミルフィーユである。 前者は香ばしく軽ければ軽いほど望ましく、後者は濃く重ければ重いほど望まし …

流される

五十嵐シェフの魚料理が大好きだ。 的確な施しによって、食材の素質が目覚めているからだ。 平目は、ふっくらと優しいが、ぐっと舌に迫ってくる味わいに勢いがある。 帆立は、歯切れがよく、繊維から溢れる甘味に密度があって濃い。 …