気持ち良い

 

「ウフブルイユ」

音感がそうさせるのか、口にしただけでなんだか気持ちが良い料理である。

口に近づければ、バターの甘い香りが鼻をくすぐって、「あぁ」と言葉を漏らす。

食べれば、鳥のフォンやバターのコクと空気を孕んだスクランブルエッグの穏やかな甘みが、とろんと舌にしなだれ、心を平穏にする。

そこに、雲丹の磯風がさりげなく抜け、目を細める。

昼下がりに食べれば黄昏を呼び、晩に食べれば1日を甘美に締め括る。

いつ何時口にしても、気持ち良くなる「ウフブルイユ」。

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