触れるのを躊躇うほどに美しい。 深紅のソースの上で鎮座する凛々しい牛テールは、その風格に圧倒感があるが、触れれば崩れてしまうほどに繊細でもある。 ナイフを入れると高貴な香りが立ち上がり、鼻が膨らむ。ソースを絡めて口に …
夏の暑さが酷くなるほど美味しくなるものといえば、コートドールの「梅干・シソのクリームスープ」である。一口掬うと、夏の雷のような酸味に撃たれ、その清涼感に身体中の細胞が洗われていく様な感覚になる。絶妙なとろみも堪らない …
トマトのクーリに浮かぶクリーミーなムースをスプーンで掬い、そっと口に運ぶ。 すぐに喉に落としてはいけない。 舌の上にしばし転がしてやる。 ムースが溶けて、香りと味が花開き、身体にパプリカの生気が芽吹く。 心を溶かす甘 …