キャビアという食材に対してずっと懐疑的だったが、スリオラの「燻製キャビア」を口にして考えを改めた。 葡萄の木で燻されたキャビアは、ほんのりと白く垢が抜け、鮑の上に鎮座している。 スプーンいっぱいに掬う。 口に近づける …
月: 2023年8月
「生のフレッシュなマッシュルームの美味しさを料理で表現したい」という想いのもと、産声をあげた加藤シェフのスペシャリテ「発酵マッシュルーム」。 発酵による酸がマッシュルームの素朴な滋味を包み込み、一筋縄ではいかぬ、奥ゆ …
無くなっていくのが惜しかった。 ジョンティアッシュの「タマクエのポワレ グリーンアスパラガスのソテーとモリーユ茸のアラクレーム」。 マッチョなタマクエにまだ命の張りがあり、歯を入れると、白く麗しい肉体に秘めたエレガン …
欲張りで良かったと思うことは少なくないが、「ル・ブルギニオン」では欲張って良かったと心底感じた。 この日は前菜2品、魚料理、肉料理、デセールのディナーコースにシェフのスペシャリテの前菜2品を追加した。 「ブー …
噛んだ瞬間に、海の豊穣が飛沫をあげた。 口いっぱいに旨味が広がったと思えば、甘美な記憶だけを残して、するりと牡蠣は喉へと落ちていった。 ジュレに詰まったレモンとライムの太い酸が、臭みなく、滋養溢れるミネラ …