欲張りで良かった。

 

欲張りで良かったと思うことは少なくないが、「ル・ブルギニオン」では欲張って良かったと心底感じた。

この日は前菜2品、魚料理、肉料理、デセールのディナーコースにシェフのスペシャリテの前菜2品を追加した。

 

 

「ブーダンノワールのテリーヌ仕立て 林檎のソース」は、歯を入れると血の味わいを舌に滲ませる。

レバーやビターチョコレートに似たコクがありながら無闇に濃厚という訳でもない、絶妙なバランス感。ホロホロとほぐれて次第にムースの様にねっとりとしていく、舌あたりのグラデーションも堪らない。豚の血の流通規制がある中、定番としてリストオンされているところにシェフの古典フランス料理への愛を感じる。

 

「エスカルゴと骨髄 牛胃のロースト 赤ワインのピュレソース」は、牛骨に内臓のローストとエスカルゴを詰めて、ニンニクとバターで香ばしく味付けをした一品。ジュワッと溢れる内臓の脂と、滋味溢れるエスカルゴが芳しいガーリックの香を纏って口に広がる旨味は、堪らないものがある。極め付けは、内臓の脂とソースの旨味を吸ったバゲット。ガーリックトーストの到達点といった抜群の食味で、幸せになること間違いない。

 

「ル・ブルギニオン」では是非とも欲張りになって欲しい。お任せコースも素晴らしいが、スペシャリテの前菜こそ、当店の真打である。

 

ー ディナーコース ー
◆豚肉のリエットのグジェール
◆蟹、アボカド、茄子のミルフィーユ
◆鰻と帆立のムースのテリーヌ
◆ブーダンノワールのテリーヌ仕立て 林檎のソース
◆エスカルゴと骨髄 牛胃のロースト 赤ワインのピュレソース
◆あいなめ 巻き貝 グリーンピースとじゃがいものムースのソース
◆黒毛和牛のブッフブルギニオン
◆チョコレートとマスカルポーネのムース キャラメルアイス
◆茶菓子

 

 

– 六本木 ル・ブルギニオン –

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