「ジュラ」と言えば。

 

私にとって、フランスはジュラといえば、眼鏡であった。「Ma Poule」に来るまでは。

当店の看板メニュー「伊達鷄のヴァンジョーヌソース」である。

ヴァンジョーヌとは、ジュラ地方の名産ワイン。芳醇で香り高く、キリッした酸味が効いている。

このワインを使ったソースをひと舐めした時、あまりの美味しさに衝撃が走った。

ナッツを思わせる香ばしさと芳醇な香りが鼻に抜け、ソースが舌を包み込んでくる。

そこには、煮詰められ、丸くなったヴァンジョーヌが、乳脂のコクをたたえたクリームと境目なく混ざり合った、底が見えぬ奥ゆかしい旨味がある。

ソースが鷄とまぐわう。

淡白な身の中に潜むほんのりとした甘味が、ソースに導かれ、花開き、口を照らす。

そこへ、モリーユ茸がふっと香る。

滋養に満ちた森の豊穣が追いかけてくる。

思わず、目を瞑る。

閉じた瞼の裏側に、ジュラの緑豊かな大地が浮かんだ。

 

コンテチーズの冷たいロワイヤル ソースヴィシソワーズ

◆シナノユキマスと胡瓜・ミントのテリーヌ メロンとフヌイユの香り

◆鷄レバーのフラン 北海道阿寒湖 天然エクルビスのソース エストラゴンの香り

◆伊達鷄のヴァンジョーヌソース モリーユ茸とスパイスの香りを添えて

◆アプリコット ポッシェとアーモンドの焼き菓子、サバイヨンソース

◆お婆ちゃんのマドレーヌ

 

 

– 東大前 Ma Poule –

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