時は緩み、そして加速した。
何を言っているんだと思うだろう。
でも、本当に時は緩み、そして加速したのだ。
トリュフの艶美香るソースが、フォアグラの持つ脂の甘美と抱擁する。
舌に乗せれば、ふわりと崩れ、艶美と甘美が一つになった官能が時の流れを緩ませる。
視界が霞み、朦朧となりながら、やっとの思いで竹の子を口に運ぶ。
すると、どうだろう。
思い切りの良い塩と歯切れの良い食感が、身体を揺り起こし、陶酔から現実へと引き戻される。
緩んでいた時の流れが加速し、再び動き出す。
時空を歪ませる「フォアグラのポワレ 竹の子添え」。