フランス料理 助けを求めても無駄 By 伯爵 on 月曜日, 3月 25, 2024 マダムが言うままに、皿の上で頬肉を崩してから口に運んだ。 あぁ、何たることか。 フォンとマデラ酒が境目なく溶け合った太い旨味に、繊維から滲み出る頬肉の滋味が浸透し、身体がゆっくりと沈んでいく。 食べ進める毎に皿の深度が増していき、身体が更に下へ下へと沈んでいく。 もう助けを呼んでも無駄だ。 いくら声を上げても、この深淵では何もが掻き消されてしまう。 私はただ頭を後ろに垂らし、茫然とするしかなかった。 マノアールダスティン Previous Post Next Post Related Posts フランス料理 どすん。 フランス料理 法違反 フランス料理 ドーバー海峡の舌平目