私的北島亭のスペシャリテである「タラバガニのクレミューズ ブリニ添え」。
マヨネーズ風ソースで和えたタラバガニのほぐし身を、ブリニに乗せて食べる一皿だ。
ブリニとは小麦粉や蕎麦粉、卵、牛乳で作るロシア発祥の甘くないパンケーキの様なもの。
フランスではよくスーパーで売られており、サーモンやキャビアを乗せて食べるオードブルの定番である。
北島亭のそれは、ナイフを入れると、じゅわっとバターが溢れだす。
蟹のほぐし身と共に口に運べば、バターと蟹が出逢うべくして出逢い、舌に広がるふくよかな甘味に惚然となる。
バチッと効かせた塩も味を引き締めてくれ、痛快だ。
日本では馴染みのないブリニ。
類似品として挙げるなら、ブリニと同じくカナッペとして楽しめるリッツであろうか。
私は、いつの日かリッツパーティーならぬブリニパーティを開催してみたい。