出てきた瞬間、圧倒的なボリュームに笑いが込み上げた。
温菜「蛤・帆立・芝海老・リードヴォーのクリーム仕立て 軽いパイを添えて」である。
「軽いパイ」は確かに質量的には軽いが、上に一つ下にも一つ在って、視覚的に満腹中枢が刺激される。
あと、魚と肉とデセールも有るのだが…
一抹の不安が過ぎったが、杞憂だった。
蛤は噛むほどに滋味のエキスがねっとりと溢れる蛤
帆立は甘味という一点に向かって濃縮した帆立
芝海老は小ぶりながら濃密な旨味を抱えた芝海老
コクのある旨味を滲ませるリードヴォー
口の中を舞い上がり、バターの芳香漂わせるパイ
五光がソースシュプレームに差し込み、最高のソースが至高のソースへと昇り詰める。
あまりの美味に、食後再び笑いが込み上げた。