“Petits pois à la française”
「バター香る、グリンピースのフランス風」
豆が主役の素朴な料理だが、歴史ある立派なフランス料理の一つである。
玉ねぎとベーコンをまとめ上げるグリンピース。
そこに、海老を詰めたモリーユ茸が加わり、春真っ盛りだ。
口に近づければ、
バターと玉ねぎの甘香がそよそよと鼻を抜け、グリーンピースのいなたい青味とモリーユ茸の滋味が細胞へと染み渡っていく。
温かな空気が胃袋に立ち込め、身体全体で春を感じ、そして癒される。
特別に旨いものではないが、これなしでは春を過ごせない、そう思わせる不思議な力のある料理なのだ。