しらすに桜を見る。

 

クレープ生地から香るバターに吹かれ、しらすがひらりひらりと口を舞うと、桜吹雪の風情漂う。

クリームに埋もれることなく、ラクレットチーズの塩気にも負けていない。

しらすが、しらすであることを誇った甘みが、次第に舌の上に積もっていき、心が掴まれる。

食いしん坊は、桜に心が動かないが、しらすには心揺らぐ。

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