神様

 

成熟する前のしなやかな筋肉が、歯によりかかる。

胸が疼くいたいけな滋味がこぼれ落ちる。

穏やかな芽キャベツが、幼い旨味に歩調を合わせ、春を囁く。

最後に、とっておきの脂身を噛む。

この部位には、神が宿っている。

仔羊の香りや旨味の全てが詰まっていて、口の中を遊ぶ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です