波の音

 

ちゅる。

牡蠣が口に滑り込んできた。

その瞬間、波の音に鼓膜が震え、母なる海に舌が抱かれた。

乳の濃密な甘みが滲み出し、ビネガーと混じり合い、旨味を膨らます。

フランボワーズが、牡蠣と爽やかに融合し、心地良い磯風が吹き込む。

舌に居座る余韻に、しばしうっとりと浸り続けた。

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