本日はフレンチをいただきに、「七條」へ。
もともと洋食の源流はフランス料理。
久々に原点回帰をしましょうかと、以前ランチで伺った神田の名店に予約を入れた。
まずはフレンチと言えばの「パテドカンパーニュ」から。コンソメのサイコロジュレが散らされているのがオサレでステキ。
ひんやりと冷たいけれど、舌に乗せるとじゅわっと脂が溶けていく。練り込まれた香草で風味が高まり、コンソメジュレで深みが増す。セロリのマリネと合わせると豚の脂が際立ちつつも爽やかになって良きアクセント。クチュッと脂のブロックが潰れるのも、これまた面白い。濃厚な旨味が舌にいすわって口が満ちる。
お次は大好きポテトサラダ
こちらもひんやり。
「七條」は冷たいものは冷たく、温かいものは暖かい。正確な温度管理には惚れ惚れします。
いもは粒感少なめの滑らかな舌触り。酸味豊かなマヨネーズがお芋のふくよかな甘味の輪郭をくっきりさせる。
豚でこっくりした口の調子がメインに向けて整っていく。
この日のメインは仔羊のロースト。
ロゼ色に艶めく仔羊のなんと美しきこと。その妖艶な身姿にしばしうっとり。
耽っていると香ばしい匂いが鼻を抜けてはっと我に帰ります。グリルした獅子等、ニンニク、オリーブ、そして仔羊。構築的な深い香気が鼻腔に強く訴えかける。
ナイフを当てると仔羊はぷるっと震え、吸い込む様に切れていく。
口に入れるとあら不思議。厚切りなのに儚く肉がとろけていく。ネットリと舌に絡みつき、奥歯と歯茎にまとわりつくような旨味がある。奥歯をふっかり沈める歯ごたえ。肉とゼラチンが別れて散らかり、潰れて肉のジュースを吐き出す。
ステーキとは違ったローストならではの肉感的な味わい。
炭火焼きのような迫力はないけれど、肉本来の旨味、風味が直接感じられる贅沢を堪能できる。
にんにくの聳り立つ香り、オリーブの熟した塩味が仔羊の野趣と混ざり合って、多彩で繊細な旨味になる。
飲み込んでも口にいすわる仔羊には強さを感じる。逞しい旨味に舌がうっとり。
羊が1匹、2匹、3匹。
今夜は幸せな夢が見れそうだ。
– 小川町 七條 パテドカンパーニュ・ポテトサラダ・オーストラリア産仔羊背肉のロースト
にんにくコンフィ添え 黒オリーブソース –