昼の銀座。
高級ブティックには観光客がずらりと景気がよろしいこと。変わらず華やかな表通りに背を向けて、暗いビルの地下一階にひっそり佇む『貴船』でお昼をいただく。
真っ赤に染まったカウンターでお茶を啜っていると焼魚定食がやってくる。
照りが美しい鮭と鱈。小鉢達が周りを固める。どれも惜しむべき手間をかけた丁寧な料理たち。背筋を伸ばしていただきます。
まずは、熱が冷めぬうちに魚から。
漬けてきゅっと身の締まった魚は、ぶりんとした歯ごたえとねっとりとした旨味が堪らない。鱈は品の良い脂を、鮭はこっくりとした強い旨味を広げていき、ご飯がスルスル減っていく。
お味噌汁にはたっぷりの青海苔。優しい滋味と海の香りに包まれて、とろりと口を撫で回す。
玉子焼きも好みの江戸前。程よい甘さにうっとりする。
綺麗さっぱり平らげたら、お口直しに胡麻豆腐のムースをいただく。ねっとりとした口当たり、膨らむ胡麻の風味がこれまたご馳走。
銀座は地下にも素敵なお店がたくさんある。
いくつになっても楽しめるステキな街。
– 銀座 貴舟 焼魚定食 –
