洋食を語る上で欠かせない横浜。幕末の開港地として江戸から最も近い横浜は、外国人の往来が多く、西洋文化の発達が著しかったこともあり、老舗の洋食屋が少なくない。
訪問先は馬車道の「グリルエス」。
ステーキやハンバーグなど肉料理をはじめ、卵4つ使った特大オムライスが人気の創業70年以上の歴史あるレストラン。
オムライスは実はあまり好みではないので、定番のハンバーグ、ポテトサラダを注文した。
まずはポテトサラダから。
マヨネーズがどっしりと主張してくる、昔ながらの味わい。久々に出会った「これぞポテトサラダ」って言いたくなる慣れ親しんだ懐かしさ。マヨネーズの強い酸味が記憶のトリガーとなって、ノスタルジーな気分になる。上には厚切りのハムが添えられている。ハマの洋食らしい豪快さが表れています。
そして、メインのハンバーグステーキ。
デミグラスの深い香りが食欲をそそる。
ナイフを入れると、挽肉がむっちりと詰まっていて、熱がこもってアッツアツ。ハフハフしながら歯を入れる。外がカリッと香ばしく、肉は滑らかな舌触り。これも懐かしい昔ながらの味わい。
肉汁は無闇に溢れ出ず、噛む度に旨味が広がっていく。
自家製のデミグラスソースは、小麦粉を使わず、肉と野菜を時間をかけて煮込んでとろみを出す。
ワインの豊かな風味、鮮やかな野菜の酸味と後を引く苦いコクがあり、強い旨味がご飯を誘う。
ご飯に合うデミグラスソースは大好き。デフォルト多めのご飯がスルスルと胃袋に収まっていく。
ガルニも期待を裏切らない。
人参は昔ながらの甘味強め。フライドポテトに、縁がカリカリの目玉焼き。
時代に合わせて進化していく料理もステキだけれども、「グリルエス」の昔ながらの洋食には、世代を超えて愛されるノスタルジーが相まった特別な美味しさがある。
– 馬車道 グリルエス ポテトサラダ・ハンバーグステーキ –