艶めく目玉焼が、息を呑むほどに美しい。
とろっと半熟の黄身が流れ出る様は、幾つになっても心躍るものがある。
国産牛と国産豚のハンバーグは、舌に優しく、ふわりと崩れる。
噛むと、合挽ならではの凛々しい牛の香りと豚の甘みが入り混じった複雑な旨味が溢れ出し、思わず笑顔になる。
生の状態でハンバーグに練り込んだ、繋ぎの玉ねぎは、シャキシャキとした食感を残し、アクセントとして機能する。
デミグラスソースは、甘味が強めに仕立てられているが、肉を支えようとする知覚があり、肉の旨味が膨らむ。たくさん絡めて、一心不乱にご飯を掻き込みたい。
付け合わせは、いんげん、牛肉を練り込んだマッシュポテト、人参。
特にマッシュポテトは、ゴロゴロと牛肉が入り、食べ応えがあって嬉しい。
昔ながらでありながら、家庭では絶対に再現のできないThe洋食屋のハンバーグである。