行くべきは2階。

 

この日の夜ご飯は、三越前は「たいめいけん」。

1階は、若手のシェフが気軽な洋食を、2階は3代目が腕を振るう本格的な洋食がいただける。この日は予約を入れて2階のレストランへ。厨房を覗くと3代目のお姿が見える。

やっぱり今日も黒いなぁ。自分の肌と比較する。

 

まずは蟹サラダ(ポテト)から。

3,000円というポテトサラダでは考えられない値段だが、供されて納得。蟹が贅沢にこんもり盛られている。爪も2本添えられていて通天閣のような出立ちで、威風堂々とした風格に圧倒される。

蟹をたっぷり箸に乗せて一口。

ふわりふわりと蟹が散らかり、口を弄ぶ。お芋に負けない清廉とした旨味と甘味。海の匂いが鼻を抜け、体中に吹き込んでくる心地よい潮風。瞼の裏に、太陽煌めく水平線が浮かんできてうっとり。

これだけを食べに来たい、そう思わせるポテトサラダ。

 

メインは「メンチカツレツ」。

食欲沸き立つ香ばしい茶色と華やかなグリル野菜のガルニたち。

白い旗も掲げられた大人様プレート様な一皿に、ふふっと笑みが溢れる。

揚げ物は時間との勝負。熱々のうちにいただきます。

メンチカツは見た目に反してとても軽やか。サクッとした歯切れで衣は散らかり、肉は空気を含んでとてもふっくら。優しく舌の上でほどけていく。

歯が入ると抱えている肉汁をジュワッと吐き出し、濃厚な肉の旨味と脂が鼻息を荒くさせる。デミグラスソースの粘度が高く、メンチカツにしっかりと絡む。奥深いコクと強い苦味が肉の甘味を膨らませ、重厚感のある強い旨味が口に広がる。

あぁ、ご飯。舌にいすわる濃い味わいに、本能がご飯を呼ぶ。

 

サイドのガルニもこれまた美味しい。グリルした野菜たちは程よく水分が抜けて甘味だけが残っている。

旗の刺さった黒い玉は何だろう?と齧ってみると、トリュフを混ぜ込んだポテトのコロッケ。フワッと香るトリュフの濃ゆい香りにうっとり。あと3つは食べたい美味しさです。

 

細部まで抜かりのない本格洋食に大満足。

1階と比べて値は張るけれど、それだけの満足感がある「たいめいけん」の2階。

 

– 三越前 たいめいけん 蟹サラダ(ポテト)・メンチカツレツ –

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