思い出して無性に食べたくなる料理はいくつかありますが、その一つが「ヨシカミ」のビーフシチュー。下町らしいガツンとした味わいのデミグラスソースに気前良くゴロゴロ入った牛バラ肉。
勿論、丁寧な下処理はされているが、洗練されすぎていない程良き雑多で分かりやすい味がお気に入り。
無償に食べたくなって急遽18時に浅草へ。
いつものようにコンビネーションサラダから。マヨネーズベースのドレッシングで和えたレタスを土台にトマトとホワイトアスパラガス。ここにポテトサラダがあればなぁといつも思いつつ、毎回頼む。
何気にホワイトアスパラガスが好き。好みは分かれるけど、フニャッとして、歯を入れるとピューと飛び出る水分で口が潤うあの感じ。特別美味しいものではないけれど、癖になるお気に入り。
ちなみに同じく浅草は「グリルグランド」にアスパラサラダがあって、これでもかってぐらいホワイトアスパラガスが盛られる。ご興味ある方は是非。
サラダをつまみ、ヨシカミ劇場ならぬコックさん達の調理姿を鑑賞しているとやってきたメインのビーフシチュー。
ステンレスのお皿にたっぷりのシチュー。
茶色一面に華を添える粉チーズの雪化粧。湯気から漂う美味しい予感。何度前にしても気分が高まるご馳走です。
まずはスプーンでシチューを舐める。
酸味、苦味が丸くまとまって舌に絡みつくデミグラスは、下町らしいこっくりとした濃厚な味わい。舌にいすわる旨味に体が漲る。
牛バラ肉はスプーンを落とすだけでほろほろと崩れる。
歯を入れると赤身と脂身が分かれて散らかる。野趣溢れる赤身、歯茎にまとわりつく甘い脂身。デミグラスと口の中で混ざり合って生まれる旨味の混沌をご飯で受け止めれば、「本当に旨すぎて申し訳ないっス!」。
一口ごとに笑顔になれる。
マッシュルームはプリッと。歯を入れるとアツアツの滋味に満ちた汁を吐き出し、口を潤す。
フライドポテトはシチューに浸かって、すっかりのぼせ気味。しなしなになった情けない食感で甘えてくる感じは嫌いじゃない。
にんじんはシロップたっぷりでちゃんと甘い。シチューに浸かってもちゃんと主張してくる甘味は歴史を感じる昔ながらの味わいで心が和む。
最後まで丹念にルーをすくってご馳走様。
やっぱりいいね「ヨシカミ」のビーフシチュー。
– 浅草 ヨシカミ コンビネーションサラダ・ビーフシチュー –