高学歴。

 

六本木のミシュラン2023 1つ星。
シェフの大槻氏は神戸大を卒業後、3年間フランスで修行を重ねたのち、帰国。
2017年に当店をオープン。

ー ディナーコース ー
◆フルーツトマトのセミドライとフレッシュチーズ
◆田舎風パテ ミルフィユ仕立て
◆スペイン産グリーンオリーブ
◆パルメザンチーズのシュー生地
◆ベルモットを効かせたサラダのタルト仕立て
◆姫竹の子とエストラゴンの米糠クリーム和え 毛蟹
◆フォアグラのパイ包み焼き 馬肉のタルタルとビーツのピューレ ロングペッパー
◆太刀魚のポワレ バジルのバターソース
サザエのハーブソテー
◆仔羊ロース肉のロティ ひよこ豆のピューレ ジュのソース クミンとタイム
◆ルッコラのソルベ 羊のチーズのムース
◆アプリコットのクレープシュゼット ビワのマリネとアーモンドムース 新生姜添え
◆小さなレモンタルト
◆ヘーゼルナッツとチョコレート
◆薔薇のブランマンジェ
◆マンゴープリンとパッションフルーツ
◆白ワインの炭酸ジュレとカシスのムース

 

ドライトマトの強い塩味に後を引くコクのチーズの乳の旨味が合わさったマルゲリータの様な味。

◆田舎風パテ ミルフイユ仕立て
もっさりしたパテをマスタードのピュレが軽やかにマッチ。さくっとしたミルフイユ生地は軽い食感。

◆スペイン産グリーンオリーブ
香り高いオリーブをグレープフルーツと合わせて爽やかに。

◆パルメザンチーズのシュー生地
熟成させた豚の生ハムと生姜クリームをシュー生地で挟んだ一品。強めに効かせた生姜の風味が走った後に広がる生ハムの脂と木の実のような香ばしい香りのグラデーションが素晴らしい。

◆ベルモットを効かせたサラダのタルト仕立て
ハーブが織りなす香りとベルモットのが重なった複雑な香りが香水のノートを思わせる。
添えられた魚介とベアルネーズと合わせると味わいにコクと後を引く魚介の香りも重なってこれまた良い。構築的な一品でした。

◆姫竹の子とエストラゴンの米糠クリーム和え 毛蟹
こちらも香りに焦点を置いた2品目。
米糠の穏やかな甘味が竹の子の甘味を優しく持ち上げ、優しい余韻が口に残る。
毛蟹もそれに寄り添うかの様に優しい甘味を抱えていて、日本料理を食べているかの様な一品でした。

◆フォアグラのパイ包み焼き 馬肉のタルタルとビーツのピューレ ロングペッパー
3品目は正統的なフォアグラのパイ包み。バターの香るパイ生地から広がるフォアグラのこっくりとした旨味は言わずもがなの美味しさ。
馬肉のタルタルも程よい脂を抱え、パイと合わせれば旨味はより一層膨らんでいく。
程よく主張する酸味とロングペッパーのアクセントもセクシー。
ストレートに美味しいフォアグラを構築的に仕立て上げるこの一品から、高学歴なシェフの計算高さを感じました。

◆太刀魚のポワレ バジルのバターソース
サザエのハーブソテー
魚料理は脂ノリが良い太刀魚。脂にバターがピッタリと絡んで甘味はより一層膨らみ、バジルのそそる爽やかな風味がぴったりと寄り添う。
喉に落ちた後に広がる脂の余韻もふくよかで素晴らしい。
サザエも肝の苦味を茄子とオリーブが程よく抑え、拗さのない旨味へと昇華。
身はこりっと逞しく、旨味は噛むほどにハーブの香りを纏って広がっていく。
食材の足し算から生まれる味わいと風味の重なりが見事でした

◆仔羊ロース肉のロティ ひよこ豆のピューレ ジュのソース クミンとタイム
肉料理は中東をイメージした仔羊のロティ。
脂から広がるミルキーな風味にひよこ豆、クミンとタイムのアクセントが見事に調和。
ハーブのそそる香りと濃いジュのソースが仔羊をより一層引き立て、エスニックな旨味が口を満たす本日一番の一品でした。

◆ルッコラのソルベ 羊のチーズのムース
デセールの前に軽いチーズ料理が供されます。
爽やかな緑の風を吹かせるルッコラに、リッチなミルクのコクたっぷりのチーズが嫌味なく寄り添う。味わいのコントラストが見事。

◆アプリコットのクレープシュゼット ビワのマリネとアーモンドムース 新生姜添え
果実の甘味にアーモンドムースのコクのある味わいが優しく響く。
新生姜のピリッとした軽快なアクセントが心地よい。

◆小さなレモンタルト
小ぶりながら、レモンが濃厚な味わい。マシュマロから香るラム酒の風味が豊か。

◆ヘーゼルナッツとチョコレート
名前のまま。

◆薔薇のブランマンジェ
薔薇の甘味と香りがセクシー。

◆マンゴープリンとパッションフルーツ
マンゴーとパッションフルーツの甘味にトンカ豆が響いてエキゾチックな大人の味わい。

◆白ワインの炭酸ジュレとカシスのムース
ジュレに炭酸を含ませてシャンパンを表現。ラベンダーの香りが官能的。

主体となる食材にスパイスやハーブなどを重ねた足し算から生まれる料理はどれも構築的な風味を楽しむものばかりで、高学歴シェフならでは(?)の緻密な設計を随所に感じました。
しっかりと鼻炎を直して、通りを良くしてからどうぞ。

– 六本木 Takumi –

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