これと言って食べたいものが分からない。胃袋が迷子になることが時々ある。そういう時に足を運ぶのが大衆食堂。和洋中なんでもござれ、壁一面に貼り出された大量のお品書き。定食のセットを選ぶも良し、メインのおかずをまず決めて副菜を追加したオリジナル定食を作るも良し。楽しみ方は無限大まさしく食のワンダーランド。
壁一面の黄色い短冊達としばし睨めっこ。よし、メインは銀たら西京焼にしよう。おっスパゲティサラダも付けちゃおう。好きな様に組み立てられる楽しみをしっかり享受する。
先出しされたスパゲティサラダをつまんでいると焼き立ての魚が香ばしい匂いと共にやってきた。盛りの良いツヤツヤの白いご飯に熱々の味噌汁と小鉢も2つ。「さぁ食うぞ。」胃袋のアクセルが一気に全開になる。
一口食べるごとに心と体が落ち着く手作りの味わい。家庭の味とは違う心地よさがじんわりと体を満たしていく。体が喜ぶ食事の一時。
ハレの場ではない、でも家庭の味とは違うこの心地よさが大衆食堂の魅力。だからこそ通うことができるし、通いたくなる。
創業昭和25年。戦後まもなくから田端の地で町の人を支えてきた。調味料一つまで手作りにこだわり続けるのは「くる人又くる人も福の神」をモットーに食べる人を一番に思いやっているから。
真っ当であることが難しく、値が張る現代において真っ当であることを貫き続ける庶民の味方「動坂食堂」。
こんな食堂が地元にある人が心底羨ましい。
– 田端 動坂食堂 銀たら西京焼・スパゲティサラダ –