特ロースかつ定食¥2,440
お気に召し度:★★★★(★×5)
2012年に洋食のシェフが開いたとんかつと豚しゃぶの店。2015年から現在までミシュランビブグルマンに選出される名店である。
ご飯は1杯おかわり無料。キャベツは無料。
上はメキシコ産、特は沖縄産の豚を使う。
断面がしっとりと濡れた「特ロースかつ」は、肉質がきめ細やかで甘味は十分。噛むとふわっと甘く香る。ブランド豚の様な押し付けがましさが無く、健やかな旨味と脂を感じる。
コーン油とゴマ油で揚げられた中粗の衣は軽やかで、香り高く、肉に密着して豚を引き立てる。油切れが良く、最後まで蒸れずに痛快な食感が楽しめる。
調味料は太陽ソース、とんかつソース、柚子胡椒ソース、粗塩、辛子。
前述通り、ブランド豚ほどの旨味は無いので塩ではなく、とんかつソースが似合う。
ご飯はもちっと柔らかい炊き加減。キャベツはふんわりと甘く、単体でもいける。豚汁は、根菜の甘味と豚の滋味がよく染み込んでいて琴線に触れてくる。お新香は浅めの漬け具合だが、程度の良い酸味で口腔を整えてくれる。
ブランド豚を扱うとんかつ店が群雄割拠する中、当店のとんかつは目を見張るほどのものではないが、マクロで見ると、どれもが一定の水準を超えてくる完成度でまとまっており、”とんかつ定食”としては文句の無いレベルに仕上がっている。
お盆の上の全てに神経を張り巡らせる職人の丁寧な仕事ぶりに賞賛の拍手を送りたい。