特ロースかつ¥2,150
定食¥550
お気に召し度:★★★★★(★×5)
昭和42年開業の人気とんかつ店「丸五」。昼夜問わず、行列は当たり前。昨今はインバウンドも多く見受けられる。豚は産地を指定せず、その時の最高のものを扱う。ご飯とキャベツはおかわり1回無料。
肩ロースに近い特ロースかつは、しっとりと肉汁で濡れ、旨味が濃い。噛めば、雑味を感じない甘い脂がじゅわっと溢れ出る。身質もきめ細やかで、臭みがなく、歯がストレスなく入っていく。
コーン油に胡麻油をブレンドさせて揚げた中粗の衣は、粒度の具合が程よく、サクッと弾ける。コーン油の穏やかな甘みと胡麻油の香ばしい風味が、鼻を抜けて豚と絡み合い、甘味が一層際立ち、後を引く余韻を産む。
そのまま食べても十分に美味しいが、塩をつければ、豚の輪郭がよりくっきりと際立つ。
ソースは、甘味とキレのバランスが良く、辛子を混ぜれば、甘い香りが立っている艶々のご飯を一層進ませる。
細切りの紫蘇が混ざったキャベツは、軽やかながら、噛めば瑞々しい水分を吐き出し、口腔の調子を整える。
赤出汁のなめこ汁も、出汁の旨みがしっかりと感じられ、隅々まで丁寧な仕事がされているのが分かる。
食後には、ジャスミン茶を出してくれるオモテナシも嬉しい。
並んでも食べたい、都内でも指折りの名店である。