お箸が迷子。

 

困った。箸が迷子になってしまった。

お盆一面に広がる小鉢たち。その数なんと7つ。鯛の刺身にしめじと白菜の餡掛け。小松菜のお浸しにポテトサラダ、厚焼き玉子、ひじきの煮物に白菜と切り昆布の浅漬け。どれも出来合いではなく、仕事の施された麗しき品々。どれもこれも美味しい予感に腹が減る。

メインの銀だら西京漬け焼も西京味噌の芳しい香りをあげて誘ってくる。

さぁどれから手をつけましょうか。やっぱり焼きたての魚でしょうか。

箸をあてるとプルンと弾け、美しき白肌晒す。西京味噌の香ばしい風味、甘い脂がじゅわっと広がり、口が潤う。強くて甘い脂にご飯を誘われ、お米を食べる。旨味の輪郭が際立って、口角が上がる。

鯛の刺身もたくましい歯応え。噛むとこりっとした快感を呼んで、甘い旨味が広がっていく。

厚焼き玉子は私好みの江戸前風。しっかりとした甘めの味付けもこれまたご飯を呼ぶ味わい。多めのご飯もどんどん減っていく。どれもこれもが美味しく気づけば綺麗さっぱり胃の中へ。

膨れたお腹をさすっていると、ぷわ〜と眠気がやってきた。午後はのんびりしようかな。

– 赤坂見附 一つ木 竹林草 銀だら西京漬け焼 –

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