「グリルエフ」のデミグラスソースは単体で味わうと、その強烈な苦味に驚くかもしれない。
だが、このデミグラスソースと肉が邂逅することで、肉は旨味をぐんと持ち上げる。
珈琲が菓子の甘味を引き立てる様に、漆黒のデミグラスソースの芳しい苦味によって牛バラ肉は脂の甘味が何倍にも膨らむ。
舌に残る雑味と嫌味がなく、面はくどいが、不思議なことに食後にはすっきりとした余韻が続く。
これがなんとも癖になる「グリルエフ」でしか味わえない唯一の味。2代目が心底惚れた変わらない味。
私もその味に惚れた1人。
故に私は「グリルエフ」に通う。
– 五反田 グリルエフ ビーフシチュー –