150gの躯体から溢れ出る途轍もない覇気にしばらく圧倒されてしまった。
「旬香亭」のハンバーグはまさしく肉塊そのもの。
ナイフを入れても肉汁は溢れない。肉自身が脂をしっかりと抱え込んでいるからだ。
噛めば、牛の雄叫びが立ち上がり、鼻息が荒くなる力強い旨味が、ぐんぐんと舌を突いてくる。
その旨味には粗挽き肉ならではの多様性があり、ステーキよりも牛の全てを味わい尽くしている贅沢に満ちている。
別添えのデミグラスソースをかけて食べれば
味蕾が覚めるような鮮やかな酸味と後を引く控えめな苦味が、ステーキハンバーグの野趣をまろやかに包み込み生まれる奥ゆかしさとコクのある深い味わいに、思わず唸る。
これぞ「旬香亭」のハンバーグステーキ否、ステーキハンバーグである。
– 目白 旬香亭 ステーキハンバーグ –