『きよちゃーん!ハンバーグ目玉よく焼きで!』
夜の「レストラン桂」は、近隣サラリーマンの常連さんでいっぱいだ。
名物女将「きよちゃん」とシェフの旦那さんが日本橋の地で開業して60年。
現在は2代目の息子が店を継ぎ、創業からの味を変わらず守り続けている。
気取らない店内の雰囲気は心地よく、洋食屋らしい真っ白なテーブルクロスのおもてなしに気分が高まる。
チキンカツチーズ焼は、こんがりとした衣を纏った鶏に、とろっと溶けたチーズとデミグラスソースがたっぷりとかけられた、見ただけで分かる旨いやつ。ごくっと思わず唾を飲む。
口に運ぶと、衣はカリッと優しく弾け、ぷりっとした鶏肉が顔を出す。
衣が割れて口に散らかり、鶏肉の優しい滋味、乳脂のコク、デミグラスソースの酸味と後を引く苦味。
それぞれが渾然一体となってやってくる幸福に目尻が下り、笑みが溢れる。
ふと店内を見渡せば、周りのお客さんも皆笑顔。
「レストラン桂」はいつも笑顔で溢れている。
– 日本橋 レストラン桂 チキンカツチーズ焼 –