歴史あるタレご飯。

海老2本、穴子、キス、人参、ししとう。天ぷらの人気者たちが出揃った文句なしの顔ぶれが嬉しいが、天ぷら中山の天丼の主役はなんといっても彼らを染め上げる黒いタレだ。 こっくりとしていて重そうだが、後味はすっきりとしていて香り …

温かい。

中目黒は小さな路地に1966年から店を構える「キッチンパンチ」。風俗雑誌「平凡パンチ」と同じ書体の店名と店頭の食品サンプルの姿に懐かしさを覚える町の洋食屋だ。 艶やかな目玉焼が乗ったハンバーグはオレンジ付き。ビタミンCも …

贔屓の街鮨

贔屓にしている街鮨があるのは良いもんだ。好きなネタを好きなように、職人の握る鮨を腹一杯。腹が膨れたらさくっと勘定。江戸っ子らしく少々粋に振る舞いたくなる。 十条はかわなみ鮨。私の贔屓にしている街の鮨屋だ。カウンター席のみ …

毎朝食べたい

春から夏にかけての未成熟な鮭、トキシラズ。産卵前のため脂ノリが良いことで知られる高級魚だ。 そんなトキシラズを年中提供しているのが代田橋は「しゃけ小島」。 橙の身に見える白は豊満な脂が滲み出たもの。 焼かれても尚しっとり …

「溶ける。」

「いつも研究を怠らず、少しでも美味しいもの、新鮮で美しいもの。」 赤坂 津つ井創業者 筒井厚惣の信念のもとに誕生した赤坂名物 ビフテキ丼。 立派な漆器の蓋を開くと広がるは、丼一面の官能的な和牛の桃源郷。 和牛の脂が際立つ …

小さかった鰯

赤く染まった炭火でじっくり。時折逞しい炎を上げながら滲み出る脂が奏でるじうじう、美味しい音色に胃袋が「まだかまだか」と声を上げて呼応する。 待ってましたと一口。「かりっ」「ふっくら」が共存する絶妙な火入れ。舌を包み込むふ …

ザ・クラシック

クラシックという言葉がこれほどまでに相応しいハンバーグステーキがほかにあろうか。 デミグラスの深い黒に染まったハンバーグ、セルクルで綺麗に形どった目玉焼きと彩豊かなガロニ。古き良き「洋食のハンバーグステーキ」のプロトタイ …

冬の宝石

黄金のソースに浸って宝石のように輝く牡蠣6つ。バターと牡蠣。口いっぱいに広がる陸と海の甘味に「あぁ」と嗚咽が漏れてしまう。 3月に入ってすっかり小春日和の東京。かつれつ四谷たけだのカキバターを食べるともう少しだけ冬の尻尾 …