Tag Archives: 和食

おかわりください!

  オンメニューすると、開店後1時間で売り切れ御免の「たき下」の銀しゃけ信州味噌漬け。 キリッと濃口の信州味噌が銀しゃけに馴染んで、しゃけの旨味に切れ味が増してもうご飯がどうにも止まらなくなる。 幸か不幸か。このご飯泥棒 …

瞳を閉じれば。

  じゅわっ。箸を入れると玉子から澄んだ出汁が器いっぱいに溢れ出た。 静かに口に運ぶと、玉子の布団は舌を優しく包み込み、暖かな陽だまりとなった。 玉子の純然とした滋味と繊細で奥行きのある出汁の風味が溶け合って、上品ながら …

衝撃。

  トマホークの様な鮪のカマが供されて、食べ切れるか心配になったが、その不安は一口食べて吹き飛んだ。舌に乗せるとほろっとほぐれ、炭火の香ばしい香りと甘いタレで膨らんだ甘い脂が、頬の内側いっぱいに広がっていく。 骨下の身は …

鰯を味わい尽くす。

  さっぱりとした甘味のある煮汁で炊かれ、ふっくらとした鰯。 脂ノリの良いカミは優しく舌を包み込み、すっきりとした脂を残して消えていく。 締まりが良いシモには筋肉が感じられ、独特な癖になる苦味が味わい深く、上品ながら後を …

魚屋の矜恃。

  魚屋が営む吉祥寺の定食屋「里の宿」。鮮度抜群の魚を一汁三菜で昼夜提供している。   銀たらは花びらが舞い散るが如く、儚くおぼろげに口の中でひらりひらりとほどけていく。香ばしい味噌の熟した塩味によって膨らんだ銀たらの甘 …

朝から食える天丼。

  眩しい狐色のかき揚げの中には芝海老と帆立がごろごろ詰まっている。タレはさらっと控えに、衣のさくっとした食感が楽しめる。 衣を破ると芝海老はプリッと弾け、ぷっくりとした帆立は噛むほどに磯の香りと甘味がほどける様に広がっ …