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完成品。

  まさしく完成された逸品だ。「ぽん多本家」のカツレツは脂身を掃除したロースの芯のみを使う。低温からゆっくりと温度を上げながら揚げた豚肉は、均一に火が通っている。その証に、カツレツの断面は一面のロゼ色になっている。 淡い …

衝撃。

  トマホークの様な鮪のカマが供されて、食べ切れるか心配になったが、その不安は一口食べて吹き飛んだ。舌に乗せるとほろっとほぐれ、炭火の香ばしい香りと甘いタレで膨らんだ甘い脂が、頬の内側いっぱいに広がっていく。 骨下の身は …

鰯を味わい尽くす。

  さっぱりとした甘味のある煮汁で炊かれ、ふっくらとした鰯。 脂ノリの良いカミは優しく舌を包み込み、すっきりとした脂を残して消えていく。 締まりが良いシモには筋肉が感じられ、独特な癖になる苦味が味わい深く、上品ながら後を …

結局丸くなる。

  そよいちの姉御は今日も絶好調。厨房を1人で守りながら、お客の注文だけでなく、ご飯と豚汁が適当に配膳されているか、店内の全てを把握されている。そんな姉御の姿を見ていると自然とこちらの背筋も伸びる。 注文したポークソテー …

魚屋の矜恃。

  魚屋が営む吉祥寺の定食屋「里の宿」。鮮度抜群の魚を一汁三菜で昼夜提供している。   銀たらは花びらが舞い散るが如く、儚くおぼろげに口の中でひらりひらりとほどけていく。香ばしい味噌の熟した塩味によって膨らんだ銀たらの甘 …

やっぱり大好きだ。

  供されたハンバーグを見て思わず歓声を上げた。ふっくらと丸いハンバーグは300gの立派な体軀。胃の底から湧き上がるハンバーグ欲を満たすのに、この大きさは嬉しい。 ナイフを落とすと牛と豚の合い挽き肉とソテーされたやや大振 …

広尾の酢豚。

  熟成黒酢の餡は強すぎず、具材の味を持ち上げる品のある味わい。 豚肉は中心部に優しく火が通っていてしっとりとしている。肩ロース特有の弾力ときめ細やかさの中にある甘い脂が広がり、噛むほどに旨味も溢れ出てくる。 さつまいも …

朝から食える天丼。

  眩しい狐色のかき揚げの中には芝海老と帆立がごろごろ詰まっている。タレはさらっと控えに、衣のさくっとした食感が楽しめる。 衣を破ると芝海老はプリッと弾け、ぷっくりとした帆立は噛むほどに磯の香りと甘味がほどける様に広がっ …