池袋ハンバーグ四天王の一角「ウチョウテン」の黒毛和牛ハンバーグ。 箸を入れると、半透明の肉汁が勢いよく溢れ出した。 慌てて口に運ぶと、猛々しい黒毛和牛の香りが鼻を抜けた後、果実の様に甘い脂を残して喉の奥へするりととろ …
自動ドアを手動で開けて、ガムテープで補強された急な階段を上がる。ぺったんこの座布団に腰を下ろして冷えた麦茶をぐびっと一杯。「ただいま〜」と言いたくなる実家感溢れる店内。 しょうが焼きは生姜の風味は弱く甘い味付け。 …
軽やかな衣を纏ったミディアムレアの牛はしっとりとした官能的な舌触りと歯を素直に受け入れる柔らかさがある。 噛みしだくほどに高貴な牛の香りが立ち上がり、豊富な鉄分と滋味が溢れ出てくる。 デミグラスソースには甘味と酸味が …
虎ノ門駅から徒歩6分。ジャンボプリンで有名な喫茶店「ヘッケルン」の隣のビル2階。昼は定食屋、夜は予約制の居酒屋「酒処はづき」。 実家の様な温かい雰囲気の店内で物腰柔らかなおばあちゃんが1人で切り盛りしている。 しゃけ …
正直なところ、「味」には期待していなかった。 明治37年創業。文化遺産の様な風情ある空間で食事をする「体験」を味わうのが目的だったのだが・・ オムレツは箸を入れると、半熟卵がとろんと溢れ出た。ふわっ、とろっが共存 …
創業1968年高級ブティックが立ち並ぶ銀座で古き昭和の匂いが濃く残るエアポケットの様な処。平日の昼間はサラリーマンの飯処、休日は昼間から魚をつまみに酒呑み達で賑わいを見せている。 なびく青ののれんをくぐると「お食事で …
「ヨシカミ」には多くて2人、いや理想を言うなら1人で行きたい。オープンキッチンが目の前に広がるカウンター席に案内されやすいからだ。何人ものコック達が華麗な身のこなしと滑らかな手捌きで次々と料理を仕上げていく。オムライ …
長風呂ですっかりのぼせてしまった豚は、形を留めるので精一杯なほど脱力しきっている。優しく口に運んだら最後、純度100%豚のゼラチンはタレの甘味によって膨らんだ濃厚な旨味を広げて喉の奥へと消えていく。 太陽の様に眩 …
これと言って食べたいものが分からない。胃袋が迷子になることが時々ある。そういう時に足を運ぶのが大衆食堂。和洋中なんでもござれ、壁一面に貼り出された大量のお品書き。定食のセットを選ぶも良し、メインのおかずをまず決めて副 …
親子丼は子を味わう料理だ。ふわっと膨らんだ甘い黄身とトロンとした官能的な白身。溶ききらないことで生まれる子の自由奔放さ。一方、親は充分な噛みごたえで親としての威厳を少量でありながら示し、絶対的な安心感を与えてくれる。 …