Tag Archives: 六本木

官能。

  琥珀色のゼリーの上に、ふっくらとした牡蠣が浮かんでいる。その姿を見ただけで、喉が鳴った。口に含むと、牡蠣の白濁としたエキスが、コンソメ、白人参とまぐわう。息が漏れるほどに艶めかしい旨味が舌を舐め、濃密な余韻を残して、 …

死ぬまでには。

  もちっと歯が餅に包まれば、「パリン。」と薄皮が軽快な音を立てて、弾けていく。 すかさず甘い脂が舌に広がり、味噌の甘みや野菜の香りが引き立てる。 うっとりと宙を仰ぎ、頬が緩む。 あぁ、死ぬまでに北京ダックだけで満腹にな …

貝の扱い。

    貝を扱うという事において日本人は秀でているのではなかろうか。 レストランリューズでそう感じさせられた。   「オマール海老のフラン」は、海老の凛々しい旨味を抱えたフランと濃密で滋味深い貝のジュレが絡み合い、共鳴し …

海の飛沫。

    噛んだ瞬間に、海の豊穣が飛沫をあげた。   口いっぱいに旨味が広がったと思えば、甘美な記憶だけを残して、するりと牡蠣は喉へと落ちていった。   ジュレに詰まったレモンとライムの太い酸が、臭みなく、滋養溢れるミネラ …

高学歴。

  六本木のミシュラン2023 1つ星。シェフの大槻氏は神戸大を卒業後、3年間フランスで修行を重ねたのち、帰国。2017年に当店をオープン。 ー ディナーコース ー◆フルーツトマトのセミドライとフレッシュチーズ◆田舎風パ …

うしごろの本気。

  六本木駅から徒歩8分ほど。 うしごろグループの最上級ライン。最高品質の和牛を割烹スタイルの少量多皿形式でいただける。   おまかせ特別コース ⁣◆帆立と胡麻豆腐 とうもろこしの擦り流し⁣ ◆和牛の内腿、長崎のアオリイ …

自分を恨む。

  「スペシャリテ コンソメロワイヤルスープ」⁣⁣所謂洋風茶碗蒸しである。卵の滋味と生クリームのコクを感じるプリンに似た茶碗蒸しにアツアツのコンソメスープを注いだ遠山シェフのスペシャリテ。⁣口に運ぶと、白ワインの香りが口 …