尊い一皿

一口食べて、仰け反ってしまった。 「フォアグラと鰻のパテ」である。 フォアグラが溶ける。 広がる脂は川となって、鰻がその中を泰然と昇っていく。 濃密な脂と、滋味や青い香りが出会い、まぐわい、響き合う。 そこへポルト酒が甘 …

官能。

  琥珀色のゼリーの上に、ふっくらとした牡蠣が浮かんでいる。その姿を見ただけで、喉が鳴った。口に含むと、牡蠣の白濁としたエキスが、コンソメ、白人参とまぐわう。息が漏れるほどに艶めかしい旨味が舌を舐め、濃密な余韻を残して、 …