凄い店である。 プリフィックス形式で、前菜、肉料理、デザートを約30品目から選べる。加えて、テーブル単位で揃える必要もない。 アミューズにお茶菓子まで付いて、食事だけなら7,500円。 ここを嫌う人は、人じゃない。 …
歯が喜んでいる。 「北島亭」の「オーストラリア産仔羊背肉の香草パン粉焼き」である。 カリッ。 パン粉が音を立てて弾けた瞬間、健やかで伸びのある赤身と甘いコラーゲンが、口に入って、顔を崩れさせる。 噛めば、肉に歯が抱き …
日本人であるなら、日本の食材の素晴らしさは、重々知っている。 しかし、「エスキス」の料理を食べて、自分の浅はかさを痛感した。 茄子である。 滋養を抱えた夏の茄子は、噛めば、花開く夏の情熱に身体が鼓舞される。 だが、「 …
私にとって、フランスはジュラといえば、眼鏡であった。「Ma Poule」に来るまでは。 当店の看板メニュー「伊達鷄のヴァンジョーヌソース」である。 ヴァンジョーヌとは、ジュラ地方の名産ワイン。芳醇で香り高く、キリッし …
勿論豆腐である。 だが、「4000 Chinese Restaurant」の麻婆豆腐は、牛が主役である。 口に運ぶとまず、牛の高貴な香りが鼻を抜けて、旨味が広がり、その後から醬や麻婆の刺激が追いかけてくる。 花椒や豆 …
夏も悪くないかもしれない。 「ラブランシュ」のガスパチョを一口食べて、そう思った。 あさりの出汁と野菜のエキスのスープの上に浮かぶ夏の野菜たちは、彩が豊かで生命力に溢れている。 歯を入れると砕けて、香りと味が花開き、 …
「お茶菓子のアップルパイです。」 そう言ってやってきたアップルパイには、粉糖でAppleのロゴが描かれており、皿の中にはAppleの有線イヤホン。 淡々としている小林シェフは実直な印象を受けるが、実はとても遊び心溢れ …
トマトのクーリに浮かぶクリーミーなムースをスプーンで掬い、そっと口に運ぶ。 すぐに喉に落としてはいけない。 舌の上にしばし転がしてやる。 ムースが溶けて、香りと味が花開き、身体にパプリカの生気が芽吹く。 心を溶かす甘 …
仔羊は香りを楽しむ肉だ。 仔羊はクルートで包み込まれ、どっさりと盛られた藁と共に、じっくりと火が通される。 近づくと、食欲を掻き立てる仔羊の匂いと野原を思い出させる藁の青い香り。藁のほんのりとした薫香が仔羊に付き …
「コンビニでもこれ売ってくれませんか?」 「これかなり手間かかってるんですよ」と苦笑い。 でしょうね〜。 生井シェフの復活をいち早く望む。 Odeの「黒糖饅頭 豚の血と鴨チョリソー」 ー ディナーコース ー◆ …