貝を扱うという事において日本人は秀でているのではなかろうか。 レストランリューズでそう感じさせられた。 「オマール海老のフラン」は、海老の凛々しい旨味を抱えたフランと濃密で滋味深い貝のジュレが絡み合い、共鳴し …
「デセールワゴン」。 なんともけしからんサービスである。 「全部どうぞ」。 穏やかな口調で給仕の方がにっこりと囁く。 あぁ、けしからん。 6種のケーキをペロリとたいらげ、膨れた腹を見つめる。 「また、やっちまった」。 …
深い、ソースがとにかく深い。 ポートワインやブランデー、フォンが境目無く溶け合って、古典の品格と重厚がありながら軽い複雑怪奇な旨味がそこにある。えも言われぬ皿の上の混沌に心が溶かされ、身体中が弛緩する。 フォアグラを …
キャビアという食材に対してずっと懐疑的だったが、スリオラの「燻製キャビア」を口にして考えを改めた。 葡萄の木で燻されたキャビアは、ほんのりと白く垢が抜け、鮑の上に鎮座している。 スプーンいっぱいに掬う。 口に近づける …
「生のフレッシュなマッシュルームの美味しさを料理で表現したい」という想いのもと、産声をあげた加藤シェフのスペシャリテ「発酵マッシュルーム」。 発酵による酸がマッシュルームの素朴な滋味を包み込み、一筋縄ではいかぬ、奥ゆ …
無くなっていくのが惜しかった。 ジョンティアッシュの「タマクエのポワレ グリーンアスパラガスのソテーとモリーユ茸のアラクレーム」。 マッチョなタマクエにまだ命の張りがあり、歯を入れると、白く麗しい肉体に秘めたエレガン …
欲張りで良かったと思うことは少なくないが、「ル・ブルギニオン」では欲張って良かったと心底感じた。 この日は前菜2品、魚料理、肉料理、デセールのディナーコースにシェフのスペシャリテの前菜2品を追加した。 「ブー …
噛んだ瞬間に、海の豊穣が飛沫をあげた。 口いっぱいに旨味が広がったと思えば、甘美な記憶だけを残して、するりと牡蠣は喉へと落ちていった。 ジュレに詰まったレモンとライムの太い酸が、臭みなく、滋養溢れるミネラ …
過去にはミシュラン1つ星を獲得したこともある神楽坂のフレンチレストラン。シェフの山本氏は「銀座レカン」や「ジョージアンクラブ」出身。フランス料理ならではの構築性、複雑な組み合わせの妙を追求し、フランスのエスプリを神楽 …
古典的正統派フランス料理を日本に伝え続けた、言わずと知れた老舗のグランメゾン「APICIUS」。重厚感漂う落ち着きのある店内で、最高のサービスと共に不変的なクラシックフレンチの真髄を味わえる。 ー Menu Gour …